語るにあたりサブ設定関連とかいうカテゴリを設置。
ハレルヤ(とヨエル翁)について語れと言われたような幻聴が聞こえたので語ってみようと思います
語るというか、二人の生い立ちというかなんと言うか
とりあえず、まぁセルネオ在住で、
「裏稼業人専門の闇医者」と「機械工」ってことだけあればいいと思ってはいるんですが(笑
いろいろまとめなあかんなあ
ハレルヤ(とヨエル翁)について語れと言われたような幻聴が聞こえたので語ってみようと思います
語るというか、二人の生い立ちというかなんと言うか
とりあえず、まぁセルネオ在住で、
「裏稼業人専門の闇医者」と「機械工」ってことだけあればいいと思ってはいるんですが(笑
いろいろまとめなあかんなあ
ハレルヤ。21歳。おとこ。

ヨエル。71歳。おとこ。

ふたりは、祖父と孫。
セルネオで二人暮らし。祖母(ヨエルの奥方)はすでに他界している。
ハレルヤの両親とは別々に暮らしている。両親は他国の業者対象に機械を仕入れて売る仕事をしている。
ハレルヤは「客商売がいやだから」という理由で爺が営む小さな工場に転がり込む。当時13歳。
ヨエル自身は自分の代で終わりと思っていた工場を孫が継いでくれるようなので嬉しく思っている。
両親はそれをあまり快く思ってはいないが、親に対しても無愛想なハレルヤに手を焼き、本人の自由にさせている。
ヨエルは自分の両親が興した工場を継ぐ前は外科医者をやっていた。
機械に溢れ、機械に守られる国だが、人の命を救えるのは人間だけ。
その信念から貧しい家の出身ながら努力で医者となった。
貧しい者も分け隔てなく治療を行なうヨエル。彼は自分の天職と思っていた。
だが、突然父親が病に倒れ、母親が彼に懇願する。
「どうか、お父さんの工場をつぶさないで」
悩みに悩んだ末、彼は両親の意思を尊重し、医者を廃業した。
工場の仕事もけして嫌いではなかった。
大きな機械を製作するには、たくさんの小さなパーツや精密な工作が必要となる。
そのちいさな部品を作ることで、人を守れる機械が作られていく。
別の形で夢をかなえているのだと、ヨエルは感じるようになっていった。
もうそれで良いじゃないかと、自分に言い聞かせた。
時間は飛ぶように過ぎ、結婚し、息子ができ、孫も生まれた。
あるとき、工場に血だらけの男が脚を引きずりながら倒れこんできた。
「ここに、医者がいると聞いてきた」
男は闇社会で生きる裏の人間だった。隔てなく人を診るというヨエルの噂を聞いてやってきたという。
ひどい怪我だった。迷うことなく、彼を治療した。
もう十何年も前に終えたはずの医療だった。その腕は、何ひとつ鈍ってはいなかった。
「ありがとうありがとう、恩に着るよ」
「いや、気にすんなって。俺はもう医者は引退してるってのに、来てくれたんだ。礼を言いたいのはこっちだ」
「何で辞めちまったんだ?あんたはまだまだ現役に見えるぜ」
「いや何、事情があってな。もう俺はこの工場の主になっちまったんだよ」
その男は言った。
「またなんかあったら、来てもいいか?俺はあんたが気にいった。あんたが診てくれるなら、安心できる」
ヨエルは耳を疑った。
「…俺はもう医者を廃業しちまったんだ。表だって人の治療はしてやれねぇんだよ」
「俺を治してくれたじゃねえか。別に堂々と診てほしいなんて言わねぇよ。俺だって、それは困るんだ」
男は笑って改めて頭を下げた。また頼むぜ、せんせい、と言って。
これが始まりとなり、時折ヨエルの元に裏稼業の人間が訪れるようになった。
ヨエルはこういう人生もありか、と思って、笑ってそれを受け入れるようになっていった。
「表だってできないから」、こっそりと。
ハレルヤは、そんなヨエルの背中を父親と会う以上に見て育った。
ヨエルは息子夫婦にはそんな自分の二束の草鞋のことは心配させまいと何も言わなかったが、
孫であるハレルヤが自分の「仕事」をじっと見つめているのには何も言わなかった。
子供に見せるものじゃあねえだろうな、と思いながらも、
なんとなく、ハレルヤは自分と似ていると思ったからだった。
「爺」
ある日、機械の製作工程を一通り学び終えたハレルヤが言いに来た。
「俺も、人を治したい」
孫の静かな熱意に押され、ついに折れたヨエルはハレルヤに医療の基礎を教え始めた。
だが驚いたことに、ハレルヤは基礎と言わず具体的な傷口の消毒薬の選定、縫合の仕方、
ヨエルが実際にハレルヤが見ている前で行なってきた施術の概要のほとんどを、身体で覚えていた。
そして、ハレルヤは言った。
「爺。あれを教えてほしいんだ。義肢の、つくりかた」
ヨエルが独自に開発した、「義肢のつくりかた」。
それは、医者であり、人体の構造を知り尽くした彼だからこそできたことだった。
機械工として精巧で緻密な機械部品を作り続けてきたその実績と知識をあわせて、初めてできたこと。
「・・・ハレルヤ」
「頼むよ、爺。俺、」
爺みたいに、ちゃんと治してやれる人間になりたい。俺も、そんな風に生きてみたい。
ハレルヤの「義肢製作」初仕事は、彼が16歳の頃。
古登が14歳になった年のことだった。
ヨエル。71歳。おとこ。
ふたりは、祖父と孫。
セルネオで二人暮らし。祖母(ヨエルの奥方)はすでに他界している。
ハレルヤの両親とは別々に暮らしている。両親は他国の業者対象に機械を仕入れて売る仕事をしている。
ハレルヤは「客商売がいやだから」という理由で爺が営む小さな工場に転がり込む。当時13歳。
ヨエル自身は自分の代で終わりと思っていた工場を孫が継いでくれるようなので嬉しく思っている。
両親はそれをあまり快く思ってはいないが、親に対しても無愛想なハレルヤに手を焼き、本人の自由にさせている。
ヨエルは自分の両親が興した工場を継ぐ前は外科医者をやっていた。
機械に溢れ、機械に守られる国だが、人の命を救えるのは人間だけ。
その信念から貧しい家の出身ながら努力で医者となった。
貧しい者も分け隔てなく治療を行なうヨエル。彼は自分の天職と思っていた。
だが、突然父親が病に倒れ、母親が彼に懇願する。
「どうか、お父さんの工場をつぶさないで」
悩みに悩んだ末、彼は両親の意思を尊重し、医者を廃業した。
工場の仕事もけして嫌いではなかった。
大きな機械を製作するには、たくさんの小さなパーツや精密な工作が必要となる。
そのちいさな部品を作ることで、人を守れる機械が作られていく。
別の形で夢をかなえているのだと、ヨエルは感じるようになっていった。
もうそれで良いじゃないかと、自分に言い聞かせた。
時間は飛ぶように過ぎ、結婚し、息子ができ、孫も生まれた。
あるとき、工場に血だらけの男が脚を引きずりながら倒れこんできた。
「ここに、医者がいると聞いてきた」
男は闇社会で生きる裏の人間だった。隔てなく人を診るというヨエルの噂を聞いてやってきたという。
ひどい怪我だった。迷うことなく、彼を治療した。
もう十何年も前に終えたはずの医療だった。その腕は、何ひとつ鈍ってはいなかった。
「ありがとうありがとう、恩に着るよ」
「いや、気にすんなって。俺はもう医者は引退してるってのに、来てくれたんだ。礼を言いたいのはこっちだ」
「何で辞めちまったんだ?あんたはまだまだ現役に見えるぜ」
「いや何、事情があってな。もう俺はこの工場の主になっちまったんだよ」
その男は言った。
「またなんかあったら、来てもいいか?俺はあんたが気にいった。あんたが診てくれるなら、安心できる」
ヨエルは耳を疑った。
「…俺はもう医者を廃業しちまったんだ。表だって人の治療はしてやれねぇんだよ」
「俺を治してくれたじゃねえか。別に堂々と診てほしいなんて言わねぇよ。俺だって、それは困るんだ」
男は笑って改めて頭を下げた。また頼むぜ、せんせい、と言って。
これが始まりとなり、時折ヨエルの元に裏稼業の人間が訪れるようになった。
ヨエルはこういう人生もありか、と思って、笑ってそれを受け入れるようになっていった。
「表だってできないから」、こっそりと。
ハレルヤは、そんなヨエルの背中を父親と会う以上に見て育った。
ヨエルは息子夫婦にはそんな自分の二束の草鞋のことは心配させまいと何も言わなかったが、
孫であるハレルヤが自分の「仕事」をじっと見つめているのには何も言わなかった。
子供に見せるものじゃあねえだろうな、と思いながらも、
なんとなく、ハレルヤは自分と似ていると思ったからだった。
「爺」
ある日、機械の製作工程を一通り学び終えたハレルヤが言いに来た。
「俺も、人を治したい」
孫の静かな熱意に押され、ついに折れたヨエルはハレルヤに医療の基礎を教え始めた。
だが驚いたことに、ハレルヤは基礎と言わず具体的な傷口の消毒薬の選定、縫合の仕方、
ヨエルが実際にハレルヤが見ている前で行なってきた施術の概要のほとんどを、身体で覚えていた。
そして、ハレルヤは言った。
「爺。あれを教えてほしいんだ。義肢の、つくりかた」
ヨエルが独自に開発した、「義肢のつくりかた」。
それは、医者であり、人体の構造を知り尽くした彼だからこそできたことだった。
機械工として精巧で緻密な機械部品を作り続けてきたその実績と知識をあわせて、初めてできたこと。
「・・・ハレルヤ」
「頼むよ、爺。俺、」
爺みたいに、ちゃんと治してやれる人間になりたい。俺も、そんな風に生きてみたい。
ハレルヤの「義肢製作」初仕事は、彼が16歳の頃。
古登が14歳になった年のことだった。
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