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「風漢」が、「ヴェイタ」になるまでの御話。
それは、今から5年前に遡る。
―――――彼が「離村」した時からはじまる。






郷を出て、一年。

その間、俺はまずこの世界を知ることから始めようと思った。



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生まれてこの方、郷と、その近辺の森と集落にしか行ったことはなかった。
頭領は進んで他所に闘いを仕掛けるようなひとじゃなかったし、
外に出ると言うことは「離村」。郷の重役の年寄り連中は、郷のもんがそうすることを酷く嫌ってた。
つうか、桜牙はちと変わってる。
他所もんが郷に来ることは嫌がらねぇ(むしろ歓迎する)くせに、
郷の人間が他所に干渉すっことがあれば目くじら立てる。
なんだろうなぁ?普通逆だよなぁ?
そういうのは大体じいさん連中が言うんだけどよ
…まあ、郷は頭領の庭だ。何があっても、ひとが増えても減っても、郷は変わりゃしねえんだ。

たとえーーー



「風漢?飯ができたぞ、来いよ」
「あ?あ…ああ、悪いな、コウジ」
「ほら、今日もおいしくできたから、たらふく食べな」
「すまねぇな、アカネさん」

宿の飯よりずっとうめぇ。郷以外の味を、俺は初めてアカネさんから教わった。
宿飯を断る価値は充分だ。

アンバー夫妻は、桜牙の近辺にある郷出身で、
理想の飯処と道場を構えられる地を探して旅に出たらしい。
コウジが道場、アカネさんが飯処。いいバランスだと思う。
俺が郷を出てすぐ、たまたま取った宿で出会い、意気投合して隣の大陸まで一緒に旅をした。
二人は世界のことをよく知っていて、いろいろ話を聞かせてくれた。
…話を聞いてると、やっぱり俺は世間知らずなんだなぁと思い知らされる。

「で?お前はこれからどうすんだ?俺らは西を目指すが-」
「…そうだなぁ…まあ、とりあえずはこないだ聞いた1番でけぇ国に行ってみるよ」
「アドニアかい?何でまた」
「でけぇならそれだけたくさん人が集まってくんだろ?なら物知りの一人や二人居ると思って」
「例の郷のひとの病気についてか?…そうだな、アドニアなら占い師や医者も居るし、福音の施設やらもきっちりしてる。可能性は高いな。ギルドも1番栄えてるし」
「ギルド?」

聞き慣れない言葉をコウジはさらりと言う。
そのたびに俺が問い返すが、そうすると何故か決まってアカネさんが答えてくれる。

「へー…そんなもんまであんのか。島とはやっぱ違ぇなあ」
「なんつうか、俺はお前が心配だよ…アドニアで変なやつにひっかかんなよ?」
「さすがにそこまで不甲斐なくねぇよ…」

コウジはまるで、紫皇みてぇに俺を心配してくれる。
…ガキっつう歳でもねぇんだけどな。
ただ、コウジやアカネさんから見りゃあ、物知らずの俺は同じようなもんか。
厚意はありがたく頂戴する。
…アカネさんが炊いた飯は、もちみてえにふくふくしてて甘く感じるくらいうめぇ。
明日には分かつ。
またどっかで会えるといいね、と呟いたアカネさんの飯の味を、コウジはその日まで忘れんなよと笑った。


アンバー夫妻と国境の端で別れて、数日。
俺は初めて見る王都に辿り着いた。
…でけぇ。なにもかも、でかかった。
城下街、って言うんだろうな。人も店もいっぱいで、賑やかだ。
道行く人が、たまに俺を振り返る。
肌の色が違うからか?いや、そこの飯屋の主人は俺とそんなに変わらない。
違うもんと言や…ああ、獲物か。二本差してんのが珍しいのか。…わかんねえけど。
あちこち異文化が入り乱れているのが判る。
それに加え、亜人--獣人と言うんだったか、姿形がちと変わってんのもいる。
島にもそういうのがいねぇ訳じゃなかったから、別段驚かねぇが---
たいした国だ。王の顔を拝みてぇとこだ。
…さすがは、アドニア---大陸最大の、国家。

まあ、前情報はコウジから仕入れたもんだけだったから、
あとは自分で砕くしかねぇな。

……アンバー夫妻には、「病気」について軽く濁した説明しかしなかった。
俺じゃなくて、郷の誰かがかかった、…難しい病だとしか。
俺はその治療方法について調べる為に旅に出たと言った。
……嘘をついたことに、若干の後ろめたさを感じる。
だが、あんないい夫婦にいらねえ心配なんざかけたくなかったし、…何より
俺自身が『混沌』をよくしらねえ。

…頭領は言った。呪いだと。…死と隣り合わせだとも言った。
…あれきり、あの燃えるような熱さと痛みはこの目には戻らない。
できれば二度とごめんだが、…呪いが進めば、またいつあれが襲ってくるかわからねぇ。
いや、それより---
…別の生き物と化した俺を、今から想像したくなんかなかった。

ああ、支離滅裂だ。
うまく言えねぇけど…そういうのを、「こわい」って言うんだろうな。
齢23にもなって、情けねぇったらねぇな。タタラあたりが聞いたら「阿呆」くらいは言いそうだ。
……死ぬのは、…怖くねぇ。
桜牙は戦闘民族だ。命を賭して闘いに赴くことは、俺たちにとっては誇りを賭けるということだ。
その度に、何度でも、俺はてめぇの弱さに痛ぇ目にあってきた。
…けど、

……けど、なんだよ。



ドン

「いてっ!!」
「っ!
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