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なんだかいろいろと大変申し訳ございません

期間限定イベント、トルナーレのカーニバルに参戦致します!

古登の視点です。
皆さんが投下されている素敵なお話のネタをちょいちょいつまみ食いしてます。
ロキさん、カイエくん、ココリータさん、レオンさん、レゼルくん、フェリスちゃん、
ピオードくん、アオサくん、タタラさんをお借りしてます。
またお名前だけですが、ミルドくん、フージェンくん、陽皐さんをお借りしてます。
自キャラからは、古登、ヴェイタ、アリオト、そして一覇です。

宜しければお付き合いくださいませ
やや 長いな

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カーニバルって知ってる?
そう最初に教えてくれたのって、誰だったかな。
忘れちゃったけど、片目だったかもしれないし、ミルドだったかもしれないし、
何処かですれ違った誰かだったかもしれない。

次に聞いたのは、確かココリータ。
お茶をご馳走してもらって、その時にあと数か月で準備が始まるんだよって。
片目のことを話している時と同じくらいか、もしかしたらもっと、
嬉しそうな顔をしてたのを覚えてる。
ココリータはあたしと年は同じだけど、もっと小さい女の子みたいに見えた。
それくらい、溶けそうなくらいに頬を赤くして、笑ってたんだ。

だから、あの人からその言葉を聞いた時は、真っ先にココリータの顔が浮かんだ。
あたしが湖の近くでぼーっとしてたら、「どうしたの、お嬢さん」って、
あの人がふわって優しく笑いかけてきた。
太陽の光が、濃い金色の髪に透けてすごくまぶしかった。
背が高くて、あたしに影が落ちるくらいだったけど、怖くなかった。
良かったらこれどうぞって、赤いリボンのかかった小さな袋をくれた。
透明な袋の中には、ほろほろした焼いたお菓子が入ってた。


「女の子がこんなところで一人でさみしく座ってたらあぶないよ」
「もっと明るくて楽しいところで遊んできな?」
「そうだ、カーニバルって知ってる?俺、これからそこで料理するんだ」

これ、試作品。
美味しかったら、会いにおいでよ。
お嬢さんなら、いくらでもサービスしちゃうからさ。
それに、カーニバル、絶対楽しいから。


ぽんって、優しく頭を撫でていった。


なんでだろうな。それがすごく、
焼きついたみたいに頭から離れなかった。
だから。

「カイエ。カーニバル行きたい」
「えっ!?」
「つれてって」
「あ、う、うん。トルナーレのだよな?良いけど…
 珍しいな、古登がそういうこと言い出すのって」
「うん。会いたい人がいるの」
「………え……」

カイエは変な顔をしてたけど、なんだかどうしても。
行かないといけない気が、したんだ。


カーニバルはね。
すごく楽しかった。

ココリータが普段の優しい笑顔からはちょっと想像できないくらいすごかったり、
不思議な、いろんな仮面をかぶった人たちが楽しそうに歌ったり、踊ったり、
たまに話しかけてくる人もいて、それが誰なのかわからなくて。
ちらって仮面を外して笑ってくれたのが、ロカターリオのレオン。
あんまり気を抜き過ぎてると危ないから、誰かと一緒に回った方がいいよって。
ただでさえゆるいからさ、古登も仮面をかぶった方がいいかもしれないなって。
あと、ジェンを知らない?って。
やっぱり仮面を付けると分からなくなるよね。
あの後、フージェン、見つけられたのかな。

ふらっと片目の家を出てきちゃったから、カイエ、探してるかな。
民族衣装も、仮面も、ココリータが用意してくれたのに、着ないで出てきちゃった。
一回戻らないといけないかな。
そう思った時、あの人を見つけた。
エプロンをした、不思議な色の髪をした男の子と、その隣りに小さな可愛い女の子。
もう一人、なんだかてきぱきとお店に来るお客さんの相手をしてる、男の子。
それから、あの人。名前…聞いてないけど、あのひと。
顔と名前を覚えるの、ちょっと苦手だけど。
あの人の花みたいに深い色の金は、強く焼き付いてた。
でも。

「あ!あん時のお嬢さんじゃん?来てくれたんだー、ありがとな!」
「うん。この間は、お菓子ありがとう。美味しかった」
「へへ、さんきゅ」
「あっれ~?ロッキーってば、外でも宣伝してたの?さっすがだネ★」
「いらっしゃい、えーと…ロキさんの知り合いなら、何か持ってく?こっちの饅頭はお勧めだけど」
「これ、最後なの…ひさわお兄ちゃんが帰ってくるまで、最後なの」

ふわふわとした、柔らかい小さな手の中に、まあるいお菓子がひとつ、ちょこんと乗ってた。
おねえちゃん、どうぞって、その子が笑った。
忙しそうだったから、ありがとうって言って受け取って、そのまま離れた。
あの人は、良かったらまたあとでねって、手を振ってくれた


すこし。
なきそうになった。



「――古登!」

たくさんの人の中から、飛んでくるみたいに声が響いた。
振り向くと、カイエが息を切らして走ってくるのが見えた。

「…カイエ…」
「もお…、探したよ。
 ねえちゃんが古登の分の民族衣装握りしめてうろうろしてるから、一回戻ろう。
 それに…、一人じゃ、あぶないし…」
「うん…。わかった」
「行こう」

カイエは、頭の横に付けてた仮面を、まっすぐ正面に付け直した。
それから、あたしの分の仮面を手渡してくれた。

そしたら、わぁって一際大きな歓声が辺りを埋め尽くした。
奥の方で、なんだか何人かの男の人の大きな声が聞こえる。
乱闘だ、って誰かがつぶやいた。周りに居た何人かがそっちのほうへ向かった。
瞬間、ちり、って、左目を焼く感覚がした。いつものように。
――片目?

少し怖かったみんなの大きな声が、すぐに笑い声と歓声に変わった。
カイエに手を引かれて、そっちに行ってみた。

「…あーあ。ヴェイタんおっちゃん、恨まれてんなぁ」

カイエがあきれたような声を出す。
仮面をつけた男の人たちの集団の真ん中で、片目が刀を鞘に入れたまま、一本だけ抜いて立ってた。
片目は仮面を付けてなかった。
男の人たちは、なんだか口ぐちにいろんなことを叫びながら片目に向かっていってた。
「よくもおれたちのまどんなを」「せきねんのうらみ」とか言ってた気がする。
片目は、右目を瞑ったまま、面倒くさそうにその人たちをさばいてた。
みんな、長い棒とかぶんぶん振りまわしてたけど、次々に倒れていってた。
警備の人たちが、ぞろぞろと目を回した人たちを連れていってた。
大体そういうひとたちは目を覚ましたら、片目に「ばかー!」とか泣きながら叫んでた。
ちょっと、おもしろかった。

「…ヴェイタ殿…、これ、まさか毎年やってるんですか」
「…聞くなよ」
「……お察しします……」


いつの間にか、周りの人たちがみんな集まって、笑ってた。
カイエも、笑ってた。
仮面をつけてた人も、みんな、笑ってた。
あたしも、思わず、笑っちゃった。

そしたら、サーカスが始まるよって、誰かが叫んだ。
花火の音が響いて、暗くなりかけた空に光が走った。
笛の音とか、不思議な聞いたことのない歌。
みんながそっちの方に歩きだした。

「古登、とりあえず着替えに帰ろう!急がないと」
「うん」

カイエと手を繋いで、皆とは逆のほうに歩きだした。
カイエはあたしの方を振り向かなかった。
だから、あたしは少しだけ、空を見た。
前を見て歩きながら、カイエはあたしに話しかけた。

「そういえばさ。会いたい人って…いた?会えたの?」
「…ううん。いなかった」
「?そ、そう…なの?」
「うん」

花火が響く。
カーニバルはまだまだ続く。
たくさんの人たちが楽しそうに歌って、踊ってる。
いろんな人が集まって、いろんな仮面や衣装で楽しんで。

…でも、
ここにはやっぱりいなかった。

あの人はいたけど。
会えて、嬉しかったけど。


…一覇はいなかった。



全然、似てないのに。
でも、

あの人があたしを上から覗き込んだ時。

一覇が、いつかそうやって、あたしの頭を撫でてくれたことを思い出したんだ。


あたしに掛けてくれた言葉は、優しかった。
本当に優しい声だった。


だからかな。そうなのかな。
だから、あの人と一覇が、少し重なって見えたのかな。

こんなに楽しい場所に。

今の一覇が来るはずがないのに。


…でも、もしかしたら。

昔の一覇なら、もしかしたら、ちょっと苦手でも、
あたしが行きたいって言ったら、きっと一緒に行ってくれたから。



カイエがくれた仮面は、猫の顔をしていた。
ずっと昔、…一覇は、あたしを猫みたいだなって、言ったことがあった。

それを思い出して。
少し、悲しかったけど、なんとなくほっとした。


「…古登、どうかした?」
「え?あ、ううん。大丈夫」
「…てぇか…、その、それ。どうしたの?」
「え?」
「その…、そっちの手に持ってる…、うわっ、煙出てるぞ!?」
「わあ」
「うわ!ちょ、古登それなんか光ってる!!つうか、なんか変形してる!!
 それ何!?何なの!?ちょ、わーーー!!!」
「わあ…」

「あれ、コトとカイエ戻ってきたかいー?ほらほらさっさと入れとくれ、
 すぐ着せてあげるから」
「…ココさん…。ちょっと今家に入れないほうが良いみたいだよ」
「奥方…、この家には漁師の網のようなものはあっただろうか…」
「…お隣りんちにはあった気がしたけど…どうかしたかい?」
「…タラちゃん…、これ玄関死守しなきゃいけない感じ?」
「…おそらくは…。風漢が戻ってくるまではな」


ねえ一覇。

あたし、元気だよ。

笑ってるよ。

だから、


…また、会いたいな。

 

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