「風漢」が、「ヴェイタ」になるまでの御話。
それは、今から5年前に遡る。
―――――彼が「離村」した時からはじまる。
郷を出て、一年。
その間、俺はまずこの世界を知ることから始めようと思った。
それは、今から5年前に遡る。
―――――彼が「離村」した時からはじまる。
郷を出て、一年。
その間、俺はまずこの世界を知ることから始めようと思った。
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風漢(ふうかん)は高熱を出し、三日三晩苦しんだ。
右目が焼けるように熱い、痛いとうなされながらも掌を右目からどけず、
昏睡状態でいながら冷やすことを頑なに拒んだ。
まるで、痛むその目を晒したくないかのように。