---あの傷みは、俺にとっていい薬になった。
激しい苦痛は一昼夜を経てようやく治まった。
その間どうやってしのいでいたかは正直覚えていない。
ただ、このまま死んでたまるかという言葉ひとつだった。
痛みに悶え死んだなんて、あいつらが聞いたら失笑どころじゃねぇだろう。
治まってみれば、まるで悪夢から目覚めたみてぇにそれは一瞬で醒めた。
悪い夢を見た。
それだけで済ませられそうなくらいにあっけなく。
だが、俺の右眼は、確実に。
その呪いの影響を受けていた。
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「機械場に入んじゃねえ。…古登、いい加減にしろよ」
(前)
名前:ハレルヤ・ミーク (♂・21 歳)
種族:人間
職業:機械工、無免許医師(見習い)
出身:セルネオ
口調: (一人称) 俺 (二人称) あんた、古登に対してはてめえ、ヨエルに対しては爺
(特徴) 口が悪く、いつもテンションが低い。ぶっきらぼう。早口。
「お~…古登ちゃん。元気だったかい?」
(後)
名前:ヨエル・ミーク (♂・71歳)
種族:人間
職業:機械工、無免許医師
出身:セルネオ
口調:(一人称) 爺 (二人称) お前さん、古登に対しては古登ちゃん
(特徴) ご老人特有のゆっくりした間延びする喋り方。職人気質なので、「~じゃねえ」とかは言う。
セルネオで祖父、孫で小さな機械工場を営んでいる。
主に機械加工品の下請け業。
また、無免許だが二人とも医師(闇医者)としての技術を持っており、
裏稼業の人間が治療に訪れることもしばしば。
その筋では有名らしい。
過去、古登が一覇に傷を負わされた際に手術を行なった。
彼女、また一覇の義肢は彼らの手によるもの。
古登をパーティに入れて訪れると、「混沌」の情報を少し得ることができる。
(その際、古登は席をはずす)
カイエと古登を同時にパーティに入れると、少し会話が変わる。
ストーリーに影響はない。
ハレルヤは、古登に「ハルヤ」と呼ばれる。ヨエルは「じいちゃん」。
ハレルヤ本人はそう呼ばれることを嫌がってはいるが、古登は気にしない。
淡々としゃべり、その口調にはあまり感情がこもらず、やや怒っているようにも見える。
だがそれは常に口をへの字に曲げるくせがあるからであり、
本人は特に感情を露にするようなタイプではない。表情もあまり変わらない。
口悪く古登をたしなめたりするが、一覇を追っていることをひそかに心配しており、
彼女を妹のように思っている。
ヨエルはそんな孫を見て意味ありげにほくそえむ。
ハレルヤはそんな祖父を見てややいらつくが否定しない。
ふたりはいつも作業着としてつなぎを着ており、
ハレルヤはタオルを頭によく巻いている。(巻き方は統一していない)
スパナをいつもひとつは手にしており、愛用。
たまに投げてくるので注意。
ハレルヤ・ヨエル関連小噺↓
「この掌に宿る」
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「…僕は」
そんなんじゃない。
心の中でまた、同じことを呟いた。
ご老体はヨボヨボしながら、さっき古登が行った部屋に
「そろそろかのう」とか言いながら行った。
結局のところ…僕は彼女を待つしかない。
そんなんじゃない。
心の中でまた、同じことを呟いた。
ご老体はヨボヨボしながら、さっき古登が行った部屋に
「そろそろかのう」とか言いながら行った。
結局のところ…僕は彼女を待つしかない。
「ハルヤ、久々だね。1年ぶりくらい?」
「阿呆抜かせ。あれきり何年経ってんだ」
「そうだっけ?」
機械油の匂い。
あちこちで小さな旋盤や見たことのない機械が働いている。
だけど、その機械の前には誰一人人間はいない。
…こう言っては失礼だとは思うけど、小さな工場だ。
働いているのは彼だけなんだろうか―――
「ハレルヤ、お客さんかの」
「…ッ!?」
突然。にょき、と老人が生えた。
嘘。 すぐそこにあった旋盤の影から突然姿を現した。
彼と同じ作業着だ。酷く年季の入ったご老体だ。
…気配が、なかった。
「爺、古登だ。覚えてっか。油見っから奥開けてくれ」
「お~…こと…」
「じいちゃん、久しぶり。ふふ。あれから全然痛くないよ。」
「ああ…古登ちゃんか。おお、大きくなったなぁー」
「爺、俺からするとそいつ全く変わってねぇぞ」
「ふふ。じいちゃんの手ぇ、おっきいの変わらないね」
「……」
「少年」
びく、とつい反応してしまった。
不意に声をかけられたのが自分だと、疑いもなく理解できた。
彼が。…古登に『ハルヤ』と呼ばれた彼が、まっすぐ…強い目をこちらに向けたから。
「阿呆抜かせ。あれきり何年経ってんだ」
「そうだっけ?」
機械油の匂い。
あちこちで小さな旋盤や見たことのない機械が働いている。
だけど、その機械の前には誰一人人間はいない。
…こう言っては失礼だとは思うけど、小さな工場だ。
働いているのは彼だけなんだろうか―――
「ハレルヤ、お客さんかの」
「…ッ!?」
突然。にょき、と老人が生えた。
嘘。 すぐそこにあった旋盤の影から突然姿を現した。
彼と同じ作業着だ。酷く年季の入ったご老体だ。
…気配が、なかった。
「爺、古登だ。覚えてっか。油見っから奥開けてくれ」
「お~…こと…」
「じいちゃん、久しぶり。ふふ。あれから全然痛くないよ。」
「ああ…古登ちゃんか。おお、大きくなったなぁー」
「爺、俺からするとそいつ全く変わってねぇぞ」
「ふふ。じいちゃんの手ぇ、おっきいの変わらないね」
「……」
「少年」
びく、とつい反応してしまった。
不意に声をかけられたのが自分だと、疑いもなく理解できた。
彼が。…古登に『ハルヤ』と呼ばれた彼が、まっすぐ…強い目をこちらに向けたから。
「…義手?」
「うん。そ。あと、こっちの脚も。こっから下、…義足。」
僕は自分が思ったより自然にそれを受け入れたのを感じた。
隣にいる少女は、腰掛けながら右脚の「箇所」をぽんぽんと指している。
座ろ、と僕を見上げる。他人の家の玄関口だというのに、いいのだろうかと思いつつ、従う。
その少し伏せがちな瞳には、翳りは見えなかった。